建物のあゆみ

この建物は1903年(明治36)より使用された旧芦田郡役所庁舎です。1898年(明治31)、芦田郡と品治郡が合併し芦品郡が誕生し、当時軍内で最も繁華な通りに面した府中町1番地に新築されました。
しかし、郡政は短命に終わり、1926年(大正15)7月1日をもって全国の郡役所は廃止されました。以降、この建物は県の出先諸事務所などに利用されました。
1975年(昭和50)、道路拡幅に伴い建物取り壊しの準備が進められていました。その頃、旧制府中中学(現府中高校)の立派な擬洋風校舎が取り壊されたばかりで、街のランドマークのような建物が相次ぎ消滅してしまうことを残念に思う多くの市民が参加し保存運動が行われました。その結果、移築保存が叶い、歴史民俗資料館として使われることになったのです。
建物の見どころ

この建物はいわゆる擬洋風建物です。均衡の取れた全体のプロポーション、漆喰壁に隅石飾り、胴蛇腹・窓枠・庇・玄関(車寄せ)軒の飾り、内部ではドア・手すりのデザインなどが”ハイカラ”を演出しています。芦品郡の人たちに明治という新しい時代の雰囲気を感じさせたことでしょう。
全国的に見ても、きわめて数が少なくなった明治時代の郡役所庁舎であるので、1977年(昭和52)府中市は重要有形文化財に指定し保存することにしました。移設時、内部は改造されましたが、外観はほぼ旧態を保っています。
展示のあらまし

現在は考古資料(出土遺物)のみを展示しています。第1展示室では縄文~古墳時代、第2展示室では備後国府跡を中心にした奈良・平安時代と、この地で暮らした人々が残したものを通じ、原始・古代の地域史を解説しています。常設展示ですが、適宜資料を入れ替えています。

第3展示室では、期間を限った企画展示を行っていますが、諸創作グループの皆さんの作品展示・発表の場としても貸し出しています。
ご利用案内
休館日 | 月曜日・年末年始(12月29日~1月3日) ただし、やむを得ない事情で臨時休館する場合があります また、休館日でもあらかじめ見学の希望があれば開館する場合があります |
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開館時間 | 10:00~17:00 ただし、入館は16:45頃までに |
入館料 | 無料 |
第3展示室の使用料 | 無料 ただし、使用条件があります |
駐車場 | 約100台・無料 ただし、他施設と共用です |
アクセス | JR府中駅より徒歩約30分 |